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学会賞を受賞して

京都ノートルダム女子大学 現代人間学部心理学科
河瀬 雅紀

このたびは学会賞を賜り、誠に光栄に存じます。これまで一緒に活動し、そして、温かく支えてくださった多くの皆さまに、こころより感謝申し上げます。

思い出話になりますが、日本サイコオンコロジー学会の活動を知るようになったのは、1994年~1995年にオーストラリア・アデレードでホスピスの研修をしている時でした。Flinders大学緩和ケアのMaddocks先生から、サイコオンコロジーの研究と実践をしているMonash大学のKissane先生をご紹介いただき、数日間滞在した時です。Monash大学のスタッフが、神戸で開催された第2回国際サイコオンコロジー学会(大会長・河野博臣先生)のことを興奮冷めやらぬ様子で語ってくれました。帰国後、内富庸介先生がお声掛けくださって本学会の活動に参加させていただくようになりました。優しいお言葉に勇気づけられたのを覚えています。当時、京都では緩和医療学会との合同大会も開催されましたが、地域での活動を活発にさせようと堀泰祐先生(京都警察病院)、林章敏先生(日本バプテスト病院)、西森美保子先生(京都大学)と私とで、研究会や研修会などを活発に開催していました。この4人の専門は、外科、ホスピス、看護、精神科だったので、偶然ではありますが、上手い組み合わせだったなぁと思います。その後、所昭宏先生が中心になって近畿でサイコオンコロジーを学ぶ場を提供くださっている関西サイコオンコロジー研究会にも加わらせていただきました。所昭宏先生には、このたびの学会賞にご推薦いただき心よりお礼申し上げます。この間、京都での19回大会では運営のお手伝いをさせていただき大切な思い出になっています。最近はがん患者支援活動「リレー・フォー・ライフ」の運営に関わっております。そこに参加していたがん体験者が、歩くことが支援なんや、と言われていました。共に歩む地域の皆さまとの活動からサイコオンコロジーの関心を広げ、学ぶ場が身近にいくつもあることが、がん体験者や家族の支援、そして、学会の発展にも繋がっていくと信じ、微力ながらも活動を続けていきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。