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学会賞を受賞して
京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻
白井 由紀
このたび、日本サイコオンコロジー学会の学会賞を賜り、大変恐縮しております。私にとって学会賞は「JPOSに多大なる貢献をされた先生方が受賞される栄誉ある賞」であり、「なぜ私が???」とキツネにつままれたような思いです。
私とサイコオンコロジーの出会いは、2007年、リサーチ・レジデントとして、当時の国立がんセンター東病院 精神腫瘍学開発部(POD)の門を叩いたことに始まります(実際には、博士課程修了間際にも関わらず、のんびりしている私を心配して?当時の指導教官の宮下光令先生(現東北大学)が、内富庸介先生にご紹介してくださった、という始まりです)。
「これからは国民のために一分一秒無駄にできませんよ」
リサーチ・レジデントへの採用が決定した日、内富先生から頂いた強いメッセージに震え上がりました。そして、在籍させて頂いた3年間、その言葉が嘘ではないことを実感する日々でした。内富先生、藤森先生はじめ、JPOSの核となり活動されている先生方が、使命感と覚悟をもって臨床・研究に取り組んでおられる姿から、多くのことを学ばせて頂きました。がん患者さんを対象とした質問促進リストの研究では、初めてRCTの計画・実施・評価、論文執筆まで担わせて頂きました。また、コミュニケーション技術研修プログラム(SHARE-CST)の有効性検証や研修会の開催をお手伝いさせて頂き、研究成果を臨床に還元・普及していくプロセスを間近で見られたことも、大変貴重な経験でした。
ここまでご指導、ご鞭撻くださった多くの先生方、調査にご協力くださった患者さん、ご家族に心から御礼申し上げます。現在は、PODでの研究を発展させ、疾患特異的質問促進リストの開発研究を進めております。頂いた賞の重みを感じながら、今後も、患者さん、ご家族、医療者のお役に立てるよう、精進して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。